今回は、働きながら障害年金を申請する場合の影響について解説していきます。
障害年金は就労すると不支給になるか!?
結論からいうと、働いている=障害年金不支給になるというわけではありません。
ただし、働くことで受給に影響する場合はあります。
障害年金の審査において、就労の有無というのは重要なポイントですが、就労している=障害年金に該当しないというわけではありません。
精神疾患以外の場合と精神疾患の場合に分けて解説します。
精神疾患以外の場合
たとえば、人工透析や脳梗塞、糖尿病、ペースメーカなど、最初から基本的な障害等級が決まっているものについては、就労の有無に関わらず、障害年金の認定を受けることができます。
また、目や聴覚、指の切断等による障害などは、明確な基準が設けられています。たとえば、両目の視力の合計が0.08~0.05の場合は障害年金2級に該当します。つまり、数値などの一定の基準を満たしていれば、障害年金の対象となるので、働いていることが障害年金に影響することはほとんどありません。
精神疾患や内科系疾患の場合
精神疾患の場合は、「日常生活や就労にどの程度の支障が出ているか」が重視されるので、フルタイムで働いている方は受給が難しい傾向にあります。たとえば、仮に病気になっていても、就労に支障がないなら、障害年金の対象にはならないということになってしまいます。つまり、就労している=日常生活への影響は少ないと判断されてしまう可能性があるということです。
ただ、精神疾患の場合であっても、就労していたら障害年金は絶対に受給できないというわけではありません。
たとえば、うつ病などの場合、以下の点が審査で考慮されます。
①体調が悪化したことによる遅刻・欠勤・早退などがどの程度あるのか
②体調悪化によって、職場から時短勤務や負担の少ない業務に部署移動させてもらうなどの配慮を受けているか、またそういった配慮を受けている状態だからこそ働けているのか。
③休日の体調はどんな具合か
つまり障害年金に該当するかどうかは、就労状況や生活の状況から総合的に判断されるということになります。
ちなみにうつ病の認定基準は1~3級まであります。
精神疾患や内科系疾患では就労の有無が審査に影響を及ぼします。特に、精神疾患では明確な数値の基準がないので、目や聴覚による障害などに比べて、非常に曖昧です。
つまり、精神疾患や内科系の疾患では、実際に日常生活や就労に、どの程度の支障が出ているのかがポイントで、仮に、障害があっても、日常生活や就労に影響が少ない場合は、障害年金の対象にはならないということになります。
つまり、働いているということで、審査に影響を及ぼす可能性が高くなります。特に正社員で働いていると審査が厳しくなっています。ただし、精神疾患や内科系の疾患であっても、働いている=障害年金に絶対に該当しないというわけではないです。
大事なのは、障害年金の書類を作成する際、職場から配慮を受けている内容や、終業後の体調などを細かく記載することです。特に診断書の内容が重視されるので、診断書を書いていただく先生に以下の点をかいてもらうようにしましょう。
特に、障害厚生年金の場合は、審査側でも加入状況(働いていること)は把握しています。つまり、提出書類に何も記載がなければ、普通に働けているものととして審査されてしまいます。その結果、「障害年金に該当しない」、もしくは、「本来の障害よりも低い等級」と決定されてしまう可能性が高くなります。
まとめ
障害年金は【精神疾患以外】と【精神疾患】で審査基準が異なります。
精神疾患以外は就労していても支給されるケースが多いですが、
精神疾患の場合は就労していることで障害等級に該当しないと判断されてしまうことがあります。
精神疾患の場合は、就労の状況や、業務上で配慮を受けているか、また休日時の自身の体調など詳しく記載してもらうようにしましょう。
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